文献探訪No.002
にきびと栄養素
『文献探訪002』へようこそ!
にきびで悩んでいる方は非常に多いです。基本は食生活です。食品添加物や残留農薬に注意し、タンパク質やビタミン・ミネラルを増やしましょう。薬や施術に頼らない生活を目指しましょう。 |
はじめに
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、多くの人々が経験する皮膚の慢性疾患です。その発症には、ホルモンバランス、遺伝、ストレスなどの内的要因と、食事や生活習慣などの外的要因が関与しています。 |
ニキビと食事の関係
近年の研究では、食事内容がニキビの発症や悪化に影響を及ぼすことが示されています。 |
高血糖指数(GI)食品の影響
高GI食品(白米、白パン、砂糖を多く含む菓子など)は、血糖値を急激に上昇させ、インスリンの分泌を促進します。これにより、皮脂の過剰分泌が引き起こされ、ニキビの原因となる可能性があります。 |
乳製品の摂取とニキビ
一部の研究では、乳製品の摂取がニキビの悪化と関連していることが報告されています。これは、乳製品に含まれるホルモン(プロゲステロンやテストステロン前駆体)が皮脂腺に影響を与えるためと考えられています。 |
脂肪酸の役割
オメガ3脂肪酸などの必須脂肪酸は、抗炎症作用を持ち、ニキビの炎症を軽減する効果が期待されています。 |
ニキビ改善に有効な栄養素
以下のビタミンやミネラルは、皮膚の健康維持やニキビの改善に寄与します。
- ビタミンA:皮膚のターンオーバーを促進し、角質の正常化を助けます。
- ビタミンC:抗酸化作用があり、炎症の軽減や皮膚の修復をサポートします。
- ビタミンD:免疫機能を調整し、炎症反応を抑制します。
- ビタミンE:抗酸化作用により、皮膚の老化やダメージを防ぎます。
- ビタミンB群:皮脂の分泌を調整し、皮膚の健康を維持します。
- 亜鉛:皮膚の修復や免疫機能の維持に重要な役割を果たします。
- セレン:抗酸化作用を持ち、細胞の保護に寄与します。
具体的な食事の提案
ニキビ予防・改善に適した食品
- 低GI食品:全粒穀物、野菜、果物など
- オメガ3脂肪酸を含む食品:青魚(サバ、イワシなど)、亜麻仁油、チアシード
- ビタミンやミネラルが豊富な食品:緑黄色野菜、ナッツ類、種子類、レバー
避けるべき食品
- 高GI食品:白米、白パン、砂糖を多く含む菓子
- 過剰な乳製品:牛乳、チーズ、アイスクリームなど
- 高脂肪・高糖質の加工食品:ファストフード、スナック菓子
まとめ
適切な栄養摂取は、ニキビの予防や改善に大きな役割を果たします。日常の食事において、低GI食品や抗炎症作用のある脂肪酸、ビタミン・ミネラルをバランスよく取り入れることが重要です。 |
海外研究
タイトル
文献
Healthcare (Basel). 2021 Jun 3;9(6):668. |
抄録訳
尋常性ざ瘡(AV)は、世界人口のかなりの割合を占める慢性疾患である。 その発症には、外的要因と内的要因の両方が影響する。 本総説の目的は、基本的な栄養素の摂取がAV病変の増悪や緩和に及ぼす影響を明らかにすることである。 |
PubMedに掲載された、食事療法および個々の栄養素の摂取が患者の皮膚状態に及ぼす影響に関する論文をレトロスペクティブレビューした。 |
血糖指数の高い製品の摂取は、間接的に皮脂の過剰分泌につながり、アクネ菌の感染を促進し、炎症を引き起こす可能性がある。 |
特定の乳製品の摂取は、これらの製品に含まれるホルモン、すなわちプロゲステロンやテストステロン前駆体の存在によって引き起こされる皮膚の悪化をもたらす可能性がある。 |
脂肪酸の皮膚に対する有益な効果は、炎症の軽減によって現れる。 |
AV治療において重要なのは、ビタミンA、C、D、E、B、およびミネラル元素の亜鉛とセレンである。 適切な栄養摂取はAVを予防・緩和するだけでなく、治療効果を高める可能性がある。 |