亜鉛探訪49
亜鉛サプリは「何と一緒に飲むか」で吸収が激変
亜鉛は不足しやすく、治療目的でサプリ(グルコン酸亜鉛など)を使う場面も増えています。 ただし「食後に飲む」という一般的な飲み方が、食品によっては吸収を大きく落とす可能性があります。
児玉浩子先生らの研究では、玄米や牛乳、緑茶など、日常的な食品で吸収が低下するパターンが示されました。
テーマ:亜鉛探訪
キーワード:玄米/フィチン酸/牛乳/緑茶
ポイント:同時摂取でAUCが低下
研究の結論
玄米 × 亜鉛 吸収が
ほぼゼロ級(AUC 約2%)
牛乳 × 亜鉛 吸収が
大幅に低下(AUC 約13%)
緑茶・味噌汁・白米 吸収は
低下(およそ57〜63%)
海藻スープ 吸収は
低下しにくい(AUC 約107%)
何をした研究?
- 健康な若年男性13名に酢酸亜鉛(亜鉛25mg)を内服
- 空腹時での内服と、食品(玄米・白米・味噌汁・緑茶・牛乳など)と同時内服を比較
- 血清亜鉛の推移(0〜4時間)から、吸収の指標としてAUC(曲線下面積)を比較
臨床での使い方
- 胃が許すなら:空腹時が合理的(吸収の観点)
- 食後でいくなら:玄米・牛乳・濃いお茶と同時は避ける
- “玄米健康”をやってる人ほど:亜鉛不足を見落としやすい可能性
※この研究は「酢酸亜鉛25mg」を用いた条件での検討です。製剤・用量・個人差により影響の出方は変わりえます。
FAQ(よくある質問)
吸収の観点では
空腹時の方が合理的です(本研究は空腹時の亜鉛単独を基準に比較)。 ただし亜鉛は胃部不快を起こすことがあるので、胃症状がある場合は食後にするなど調整が必要です。
玄米には
フィチン酸(phytate)が多く、亜鉛と結合して不溶化しやすいことが理由として議論されています。 研究では玄米同時摂取でAUCが約2%と、ほぼ吸収されないレベルでした。
本研究では牛乳同時摂取でAUCが約13%まで低下しました。リン酸やカルシウムなどにより吸収が落ちる可能性が指摘されています。 日常的に牛乳をよく飲む方は、亜鉛内服のタイミングをずらすのが無難です。
研究では緑茶同時摂取でAUCが約57%でした。お茶に含まれるタンニン/ポリフェノールなどが関与する可能性が示唆されています。 「亜鉛を飲む時だけお茶を避ける」くらいでOKです。
本研究では味噌汁(約63%)、白米(約61%)と、いずれも吸収低下が示されました。 「食後に飲むと吸収が落ちやすい食品がある」ことを知っておくのがポイントです。
海藻スープではAUCが約107%で、少なくとも低下は示されませんでした。 ただし「なぜそうなるか」は今後の検討課題で、具材や添加物(アミノ酸など)の影響もあり得ます。
まずはシンプルに:
「玄米・牛乳・お茶と一緒は避けましょう」。 胃が平気なら空腹時、胃が弱い人は食後でもいいけど「一緒に食べる/飲むもの」を工夫しましょう、でまとまります。
参考PDF(J-STAGE): Effect of Foods, Including Rice, Miso Soup, and Japanese Tea, on the Absorption of Zinc