亜鉛探訪No.001
ケロイドと亜鉛
『亜鉛探訪001』へようこそ!
肩周囲、デコルテ、耳などケロイドに悩んでいらっしゃる方は非常に多いです。ケロイド体質を解決するヒントになれば幸いです。 |
はじめに
ケロイドというのは、本来の範囲を超えて広がる治りにくい赤いしこりです。皮膚の中の細胞が必要以上に増えたり、コラーゲンが多く作られることが原因とされています。 |
私は、普段は食べ物に含まれている栄養素として知られている「亜鉛」に、実は細胞の増え方を抑える力があるという報告を見て、興味を持ちました。 |
2024年に発表された研究によると、亜鉛が皮膚の細胞の異常な働きを抑えるかもしれないとされています。 |
このページでは、ケロイドと亜鉛の関係や、実際に治療にどう役立つかについて説明します。 |
亜鉛と皮膚の健康
亜鉛は、皮膚の健康にとってとても大事な成分です。皮膚が傷ついたときに治す手助けをしたり、炎症を抑える働きがあったりして、皮膚の再生をサポートしています。 |
ケロイドができる仕組みと亜鉛の働き
ケロイドができるのは、皮膚の中の「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」という細胞が増えすぎたり、コラーゲンが必要以上に作られるからです。 |
新しい研究では、亜鉛が特定の経路を通じてコラーゲンの生成を抑えることで、この細胞の異常な動きを減らすかもしれないことがわかってきました。 |
これからの期待
もし亜鉛を使ってケロイドを治療できるようになれば、患者さんにとって負担が少ない新しい治療法が増えるかもしれません。 |
また、亜鉛がほかの皮膚の病気にも役立つかどうかは、これからの研究で明らかになることが期待されています。 |
参考文献
タイトル
亜鉛-α2-糖タンパク質ペプチドはケロイド線維芽細胞およびラット切開モデルにおいてTGF-βおよびp-Smad 2/3経路の抑制を介してI型およびIII型コラーゲン発現を低下させる |
文献
Tissue Eng Regen Med. 2024 Oct;21(7):1079-1092. |
背景
ケロイドや肥厚性瘢痕は、コラーゲンの異常蓄積とその分解阻害から生じる。病因は未だ不明であるが、細胞外マトリックス(ECM)の過剰な蓄積はTGF-β/SMAD経路と関連していると考えられている。亜鉛-α2-糖タンパク質(ZAG)は、TGF-βを介した上皮間葉転換を抑制し、皮膚バリア機能に影響を与える。本研究では、肥厚性瘢痕およびケロイドに対するZAG由来低分子ペプチドの可能性を検討した。 |
方法
本研究では、ZAGペプチド処理後のヒト真皮線維芽細胞株(HDF)およびケロイド由来線維芽細胞(KF)における細胞増殖とI型およびIII型コラーゲンのmRNA発現を調べた。ラット切開創モデルを用いて、瘢痕組織におけるZAGペプチドの効果を評価した。 |
結果
コラーゲンI型とIII型のmRNAレベルはZAG処理線維芽細胞で有意に低下し、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-1とMMP-3のmRNAレベルはHDFとKFで有意に増加した。さらに、ZAGペプチドは、KFにおけるI型およびIII型コラーゲン、TGF-β1、p-Smad2/3複合体のタンパク質発現を有意に減少させた。ZAGペプチドを投与したラット切開創瘢痕モデルは、I型コラーゲン、α-SMA、p-Smad2/3の発現低下とともに、瘢痕領域が狭くなり、未熟なコラーゲンの沈着が減少した。 |
結論
ZAGペプチドはTGF-βおよびp-Smad2/3経路を効果的に抑制し、瘢痕形成時の過剰な細胞増殖を抑制することから、ケロイドや肥厚性瘢痕に対する治療的意義が示唆される。 |
DeepL.com(無料版)で翻訳しました。