小学生でも脱毛はできるのでしょうか?という質問をよくいただきます。背景には1.多毛だと、いじめられるリスク、2.外見に対する関心の高まり(保護者)、3.外見に対する関心の高まり(お子様自身)が考えられます。
エステなど美容分野でも、子供脱毛が始まっていますが、やけどや毛のう炎などトラブル発生しても対処できないリスクがあります。ゆーかりクリニックでは、日本医療・美容研究協会と連携し、エステの脱毛トラブルにも対処している皮膚科・形成外科クリニックです。心身ともに未熟なお子様こそ、まずリスク回避が大切になると思います。
採用しているレーザー脱毛器ですが、冷却式プローベを動かしながら、低出力で連続照射するレーザーです。ワキなど照射範囲が狭いと、熱がこもって熱さと痛みを感じることがありますので、非常に痛みに弱いお子様は、大人に比べ、照射回数がより多くかかり、効果発現まで時間もかかる場合があります。
医療脱毛について
脱毛は、厚生労働省から医療行為と指導されていますので、医師不在のエステでの脱毛はお控え下さい。
医療脱毛は、毛根や幹細胞をターゲットとして、レーザーや光で熱エネルギーを発生させます。毛根の深さ、太さ、分布密度、再生能力は、個人差が大きいため、脱毛効果を事前に予測することは難しいのが現状です。
医療脱毛で使用される機器はいろいろな種類がありますが、まとめると、レーザー、もしくは、光を照射する機器に分けられます。低出力・連続照射型を一般的に蓄熱式と呼んでおります。
リスク・副反応&対策・対応について
効果の実感 | 毛が減ってくるまでの期間は個人差が大きいので、照射してみないとわかりません。 出力が弱いより、強い方が効果が早くなりますが、痛みが生じやすくなりますから、ご相談しながら、施術を進めています。 |
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毛の分布 | 低出力・連続照射型レーザーでは、スポット状に抜けて、まばらになり、毛の分布に”ムラ”を感じることがあります。とくにあごひげで、”ムラ”を感じやすいです。 |
臭い | 毛があると、焦げた臭いがします。 対策:事前の剃毛をきちんと行います。 |
痛み | 部位によって、冷却のタイミングが遅れて、痛みを感じることがあります。 冷却していても、チクチクと痛みを感じる場合があります。 チクチク痛みを感じて、照射出力が上げることができない場合があります。この場合、効果発現までに時間が多くかかります。 |
やけど | 色が黒いもの(黒い衣服やマーカー)に接して、照射すると、やけどが発生することが稀にあります。 過去に当院で1例発生したことがあります。エステでも数例発生し、当院で治療しております。 対応:医師が診察し、塗り薬で対応しています。 |
炎症後色素沈着 | やけどが発生すると、痕が茶色になります。炎症後色素沈着と呼びます。 茶色の痕が薄くなるまで、数ヶ月と時間がかかります。 対応:トラネキサム酸局注療法で対応しています。 |
毛のう炎 | 毛がなくなると、毛穴が詰まってしまうので、毛のう炎や埋没毛が発生する場合があります。 対応:医師が診察し、抗生剤の塗り薬で対応しています。 |
医療レーザー脱毛料金(未成年)
成人対象の脱毛施術料金はこちらです。
初回 | 脱毛カウンセリング1,000円 |
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追加料金1,000円 | 金曜夕方18時以降 土曜お昼12時以降 日曜9時~12時 |
剃毛料 | 2,000円 剃毛してご来院ください。 |
ポイント | 未成年では付与されません。 |
当日キャンセル料 | 施術料の20% 前日までにご連絡ください。 |
施術料金(成人の2/3)
(すべて1回毎、左右両側、税抜)
★脇 | 2,000円 |
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☆上口唇(鼻下) | 1,000円 |
★頚部 うなじ | 10,000円 |
☆上肢 | 上腕(肘上まで)10,000円 |
★体幹 | 胸腹部全体30,000円 |
☆下肢 | 大腿(前面20,000円、後面20,000円) |
★その他 | お電話でご相談ください。 |
原理
原理 | 低出力・連続照射型レーザーは、痛みを軽減するために1発あたりの照射エネルギーを下げるかわりに、1秒間に10発照射して、毛包のバルジ領域をターゲットに熱損傷を与える原理です。
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文献考察
文献タイトル | 2種類の810nmダイオードレーザーによる脱毛を比較:低出力、連続照射法VS高出力、ワンショット照射法 |
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ジャーナル | Lasers Surg Med. 2014, 46(4):270-4 |
【背景と目的】 | 望ましくない毛や過剰な毛を除去するために、レーザー脱毛はますます人気が増している。我々は競合する2つの脱毛技術に関連して有効性と疼痛を比較評価した。つまり、市場をリードする吸引機能付きワンショット照射の810nmダイオードレーザーと新しい「インモーション(訳補足:クルクルと小刻みに回す動作)」技術の照射レーザーの2種類。この研究は、この2種類の装置を用いて、長期間(6〜12ヶ月)の毛の減少効果、および痛みの引き起こし具合を検討した。 |
【研究デザイン/材料と方法】 | 下腿もしくは腋窩いずれかで、前向き無作為比較を行った。「インモーション」として知られるスーパーヘアーリムーバル(SHR)モード(Alma Lasers、Buffalo Grove、IL)のソプラノ XL 810nmダイオードレーザー、および、ワンショット打ちのレーザーとを比較した。6から8週間隔で5回レーザー治療を行い、1カ月、6カ月、12カ月の追跡調査を行った。疼痛は、10ポイントスケールで患者が主観的に評価した。毛分析も行った。 |
【結果】 | ワンショット打ち、および、インモーションレーザーで、それぞれ、6ヶ月後で33.5%(SD 46.8%)および40.7%(SD 41.8%)の毛数が減少した(P = 0.2879)。ワンショット打ちレーザーの疼痛評価(平均3.6,95%CI:2.8〜4.5)は、インモーションレーザーの評価(平均2.7,95%CI 1.8〜3.5)よりも有意に(P = 0.0007)大きかった。 |
【結論】 | このデータは、低出力、平均パワーが高いダイオードレーザーで連続照射動作(マルチパスインモーション)を行い、良好な有効性を維持しながら、痛みや不快感の少ない減毛のために有効な方法であるという仮説を支持する。 6ヶ月の結果は、両方の装置で12ヶ月間維持された。 |
