小さな皮膚がんをほくろと
誤診しないための観察眼
1.診察前にお化粧をきちんと除去していただくこと。2.ダーモスコープでほくろを拡大して観察すること。3.ほくろの形や色に不自然さを感じる時は、躊躇なく病理検査を行うこと。
炭酸ガスレーザー
スマートサイド(DEKA社)
基本的に体内の水分に反応して、熱を発生させるレーザーです。レーザー光を照射するコントロールが細かくなり、正確にターゲットを焼灼することができます。
ほくろ除去の結果
(炭酸ガスレーザー)
除去直後は、凹みと赤みがあります。点状再発はたまに発生します。

初診時2ヶ所母斑

炭酸ガスレーザー

7週間後、下に点状再発

5ヶ月後、下に点状再発
ほくろ除去後の凹みと赤みについて
1.ほくろを除去した後は、皮膚に穴が開いたように、凹みます。
2.通常は1,2週間で上皮が再生しますが、上皮の再生が遅い方がいらっしゃいます。
a)ほくろが大きい場合、b)深い場合、c)再生力が弱い場合
3.上皮の再生が遅い方は、凹みと赤みが長引く傾向があります。
4.そこで、推奨軟膏を1日1回就眠前に塗布していただきます。2gで小分けにしています。自由診療の方は500円(税抜)
5.上皮が再生してくると、凹みが浅くなりますが、上皮がまだ薄い状態なので、真皮の毛細血管の血流が透けて見えるため、赤みがあります。
6.上皮が再生しても、さらに推奨軟膏を塗り続けると、上皮の厚みが徐々に元通りになり、赤みが薄くなってきます。
ご注意)推奨軟膏は処方薬です。市販品ではありません。院外処方だと、1本30gのチューブタイプになり、使い切ることができず、もったいないですので、院内処方で小分けにしています。院内処方は他の薬が院外処方されると、お出しすることはできません。

6ミリ大のほくろ

ダーモスコープ

除去直後

2週間後

3週間後

6週間後

3ヶ月後

5ヶ月後
ほくろ再発について
1.ほくろの深部に毛根があると、色素が作られて、点状に再発することがあります。元の大きさには戻らないので、そのままにする場合と、レーザーで再度除去する場合があります。非常に稀に何度も再発する方(過去に2名)がいらっしゃいました。この場合は切除縫合手術+病理組織検査で対処します。
2.環状にエッジに沿って再発する場合は、取り残しによる再発です。肉眼的にメラニン色素の茶色がついていない場合があるので、境界を取り残してしまうことがあります。⇒取り残し部に再度広めにレーザーで焼灼する必要があります。


ほくろ除去価格(税抜)
1.初診(保険診療)
皮膚がんの鑑別のため、ダーモスコープによる検査を行います。
初診時の除去手術はご予約できません。承諾書にサインをいただいてから、あらためてご予約をおとりしますので、ご了承ください。
2.保険診療
大きく、盛り上がったほくろ
平坦でも怪しいほくろ
★メスによるくり抜き+高周波メス焼灼★
病理組織検査を行いますので、保険診療による除去を行います。盛り上がったほくろについてはこちらへ⇒
大きさや部位によって、手術の方法が異なります。詳しくは診察してから決めます。
価格1 | くり抜き+焼灼のみ 2ヶ所まで10,000円 |
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価格2 | 紡錘切除+真皮縫合術 1度に1ヶ所のみ 11,000円 |
3.自由診療
平坦なほくろ
少し盛り上がったほくろ
★レーザー照射によるほくろ除去★
ダーモスコープ検査で問題が認められない場合に、平坦なほくろや少し盛り上がった小さいほくろはレーザーで除去します。
除去料(1ヶ所) | 内訳 予約料+技術料+麻酔代+軟膏代 1mm 4,400円、2mm 5,500円、3mm 6,600円 4mm 8,800円、5mm 11,000円、6mm 13,200円 総額は、除去するほくろの大きさと個数から、上記価格を参考にご計算ください。 |
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再発した場合 | 個数や大きさにかかわらず3,300円 |
4.合併症対策
ほくろ除去後の上皮化が遅い場合
凹みや赤みがなかなか治らない場合
推奨軟膏を夜1回塗布してもらいます。
食事のタンパク質が不足している可能性がありますので、朝、卵料理やチーズを食べていただくよう指導しています。
軟膏代 | 推奨軟膏2g 550円 |
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炭酸ガスレーザーの特徴
1.水に反応 | レーザーで削り取るとやけどが発生しますが、やけどの範囲は狭いので、傷の治りへの影響は少なくなります。 |
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2.ピンポイント | 直径0.6㎜でレーザーを照射するので、拡大鏡で目視で、正確に照射しています。ほくろの端に残った微小な色素でも、狙い撃ちしています。 |
3.拡大鏡 | 拡大鏡を使用して、より正確な照射を心がけています。かなり細かい色素まで見ることができます。 |