盛り上がる”ほくろ”の治療結果
ケース3
同じく口唇の盛り上がった大きな「ほくろ」8mm大を切除縫合したケース。傷が早く治ることをご希望されたため、切除縫合を行いました。
1ヶ月後、肥厚性瘢痕の傾向があったため、ドレニゾンテープを貼付して、落ち着いてきました。
初診時
切除デザイン
縫合直後

初診時

切除デザイン

縫合直後
処置後10日
処置後6ヶ月
処置後1年

処置後10日

処置後6ヶ月

処置後1年
ケース2
口唇の盛り上がった大きな「ほくろ」8x6mm大をくり抜き縫縮したケース。
縫合した写真はありません。1ヶ月後、肥厚性瘢痕の傾向があったため、ケナコルト局注をおこなって、柔らかくなりました。赤みと凹みの改善のため、アクトシン軟膏を塗布してもらっています。
初診時
処置直後
処置後1ヶ月

初診時

処置直後

処置後1ヶ月
処置後2ヶ月
処置後11ヶ月
コメント

処置後2ヶ月

処置後11ヶ月
ケース1
上眼瞼外側のやや大きい隆起ほくろは、切除縫合術が適応になります。まぶたは皮膚に余裕がありますから、ほとんど傷跡が見えないくらいきれいになります。
初診時
処置後9ヶ月

初診時

処置後9ヶ月
盛り上がった「ほくろ」の原因
茶色のメラニン色素を作るメラノサイトが変化した母斑細胞という特殊な細胞が増殖する良性腫瘍です。
ダーモスコープ
ダーモスコープという拡大鏡でほくろ表面を拡大して、異常所見がないかどうか、チェックします。
病理組織学的検査
組織切片に染色を施し、細胞レベルで異常がないかどうか、チェックします。外注で病理専門医が診断します。
盛り上がる”ほくろ”の外科的治療法(保険診療内)
平坦な”ほくろ”は、自費でレーザー治療の対象になります。
くり抜き切除+電気(高周波)メス焼灼(当院での略称:電メス)
方法 | ほくろの周囲に沿って、丸くくり抜きます。 拡大鏡を使うと、真皮内の母斑細胞の塊が見えますので、 その後、電気(高周波)メスで出血点を焼灼して、止血します。 焼灼した際に、傷の大きさは少しだけ小さくなりますが、 |
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★メリット★ | 傷がつく範囲がほくろの部分だけになります。 手術時間は短時間です。 費用は処置料、病理検査料、予約料込で6000円程度。 (6ミリ以上と大きい場合は10,000円) |
◎問題点◎ | 1.ほくろのサイズや深さ、個人の体質によって治る時間が 2.凹みや赤みが数ヶ月続く場合がありますので、 3.口唇部は肥厚性瘢痕になりやすいので、 |
くり抜き切除+巾着縫合(くり抜き縫縮)(当院での略称:くり抜き)
方法 | ほくろの周囲に沿って、丸くくり抜きます。 縫縮を行う場合は、皮膚と垂直に近い角度でやや斜めに切り込んで、 |
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★メリット★ | 傷がつく範囲が黒子の部分だけになります。 費用は検査費、手術料、病理検査料、予約料込で11,000円程度。 |
◎問題点◎ | 1.柔らかく伸びやすい皮膚でないと、巾着縫合できません。 2.巾着縫合なので、創縁にひだ状の凹凸ができます。 3.術後に滲出液や出血がやや多くなる可能性があります。 4.最初は小さい傷跡なのですが、意外に赤い範囲が広くなります。 |
紡錘切除+真皮縫合(当院での略称:切縫、せつほう)
方法 | ほくろを含めて、紡錘形に皮下組織まで垂直に切除して、 皮膚は創傷被覆材でカバーします。 (ご注意)真皮縫合しない部位があります。 |
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★メリット★ | 傷は最初から閉じますので、 創傷被覆材でカバーすると、防水なので、 費用は検査費、手術料、病理検査料、予約料込で11,000円程度。 |
◎問題点◎ | 1.健常な皮膚にもメスを入れることになります。 2.頬骨隆起や下顎縁など曲面がきつい部位の切除縫合は、 3.止血と圧迫処置をしていても、稀ですが、 |
合併症の対処法+アフタケア
くり抜き+電気(高周波)焼灼の場合
上皮の再生遅延 | 上皮の再生に2週間以上かかる。 ⇒皮膚潰瘍 ⇒(保険診療内)夜1回、アクトシン軟膏塗布 |
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凹みと赤み | 凹みと赤みが1ヶ月以上長く続く。 ⇒(保険適応外)夜1回、アクトシン軟膏軟膏塗布 |
盛り上がった赤い瘢痕 | 肥厚性瘢痕 ⇒(保険診療内)ドレニゾンテープを小さく切って貼付 瘢痕が分厚い場合やテープが貼れない場合は、 |
紡錘切除+真皮縫合の場合
線状瘢痕 | ⇒通常の経過。 スキントーンテープを最低1ヶ月貼付。 |
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赤く盛り上がった瘢痕 | 肥厚性瘢痕 ⇒(保険診療内)ドレニゾンテープを小さく切って貼付 瘢痕が分厚い場合やテープが貼れない場合は、 |
瘢痕の端だけが盛り上がる | ⇒ドッグ・イヤーと呼びます。 ケナコルト注射で皮下脂肪を萎縮させ、平坦にします。 |