ピアストラブルの症状と治療結果
超巨大ピアス穴の閉鎖手術を追加。
ケロイドがあっても、ピアス穴を温存する手術法(条件あり)を掲載。
ピアス穴温存
ケロイドがあると、通常ケロイドと同時にピアス穴を閉鎖してしまいますが、以下のような条件が揃えば、ピアス穴を温存する手術を行うことができます。
1.ケロイドのそば、あるいは、ケロイドの中でも、ピアス穴がきれいに開いている。
2.ケロイドが前側にない。ケロイドは後ろ側だけにある。




耳たぶの後ろにだけ、ケロイドがあり、ピアス穴がきれいに開いたままになっている。
上側のケロイドは摘出、下側のケロイドも摘出しますが、ピアス穴周囲に切開を加え、ピアストンネルをくり抜いて残します。拡大鏡を使う精密な手術です。



左から順に、手術直後-術後1週間-術後1年
注意点)意図したようにピアス穴が温存できない場合があります。しばらく経過してケロイドが再発し、ピアス穴が潰れてしまう場合があります。
費用
合計 52,800円
内訳 手術料44,000円+諸費用5,500円+予約料3,300円
化膿した場合
ピアス穴が痛くなったり、赤くなったり、汁が出たりする場合は、化膿しています。
装着しているピアスを抜去。生理食塩水で洗浄。シリコン製レスキューピアスに入れ替え。ピアス穴の養生が必要。
約1ヶ月装着していると、ピアス穴の内壁をカバーしていた皮膚が回復します。
耳たぶの後ろ側に膿が付着しています。かさぶたを放置すると、化膿する原因になります。




★耳たぶだけでなく、ヘリックスやトラガスなど軟骨も、レスキューピアスで対応できます。




トラガスの腫れもレスキューピアスで治すことができます。



トラガスにピアスがめり込んでいます。一旦腫れ始めると、はずさない限り、どんどんひどくなりますので、早めの対処をおすすめします。
費用
合計 4,950円~8,800円(税抜)
内訳 初診料2,750円+洗浄処置2,200円+レスキューピアス3,850円
ピアスのヘッドが埋没
ピアスが何らかの原因で耳たぶの皮下に埋まってしまった場合、局所麻酔後に取り出し、生理食塩水で洗浄したのち、レスキューピアスを約1か月間留置します。




とくに頭が小さいピアスが埋まりやすい。この患者様はレスキューピアス3週間装着で、耳たぶの腫れが引いて、元のピアスを戻すことができました。
費用
合計 6,050円~9,350円(税抜)
内訳 初診料2,750円+局麻除去3,300円+レスキューピアス3,850円
しこりができてしまった場合
原因は、ピアストンネルの皮膚が傷ついて、表皮が増殖した状態です。
局所麻酔後に生理食塩水で洗浄し、太いファーストピアスで塊を押し出します。
そのまま、ファーストピアスを装着するか、レスキューピアスで炎症を鎮めると回復します。
しこりが大きい場合は、ピアス穴を閉鎖することもあります。




耳たぶの後ろ側にしこりが盛り上がっている状態。ピアストンネルとともに摘出し、ピアス穴は閉鎖しました。
費用
合計 6,050円~9,350円(税抜)
内訳 初診料2,750円+局麻除去3,300円+レスキューピアス3,850円
ケロイドが発生した場合
ピアス穴に炎症が生じて、放っておくと、赤く盛り上がってきて、ケロイドになります。
初期はステロイド局所注射で瘢痕組織の沈静化を図ります。ケロイド治療は保険診療になります。2週間から1カ月おきに注射します。通常のケロイド治療に関してはこちら⇒
費用 1回あたり1,000円前後かかります。
放置して大きくなった場合
ダンベル状に大きく膨らんだ場合は切除手術が必要です。
ケロイド腫瘤の摘出は保険診療になります。
費用 3割負担で合計費用 25,000円前後かかります。
症例 耳垂ケロイド
その他の症例は専用ページへ




耳たぶに発生したケロイド。耳たぶ先端は形を整えるのが難しい部分ですが、寺田院長は勤務医時代に小耳症の再建手術に携わってきましたので、細かい調整を得意としています。




耳たぶのケロイドは手術できれいに取り除くことはできません。傷が治ってから、ステロイドの注射を行い、残ったケロイド組織の大きさや硬さをコントロールする必要があります。しばらくすると(3ヶ月から1年、個人差あり)、柔らかくなり、落ち着いてきます。
ピアストラブルの原因
どうして、ピアス穴がうまく完成されないのでしょうか?
以下のような原因が推測されます。
1.耳たぶの厚みが普通の人より厚い。⇒ ピアストンネルの内側を皮膚が完全に覆うのに時間がかかる。⇒ ピアスが短いので、ピアス穴がつねに締め付けられている。
⇒軸が長いファーストピアスが必要
2.ピアス穴が斜めになっている。開けた時に斜めに刺してしまっていたかも。⇒ ピアスを入れるときに、ピアストンネルの内壁を突っついてしまう。
3.傷を治す治癒力が強い。体質だから、克服は難しいかも。⇒ 傷を治す力が強い方は数時間でも外しておくと、ピアス穴が縮んでしまう。
4.ピアス穴を自分で開けた時に消毒しなかった。日頃のケアをしていない。⇒ 不潔になっていると、痂皮や滲出液を栄養にして細菌が増殖します。これを化膿と言います。
5.就寝時に頭と枕の間に挟まって、ピアスが斜めになってしまった。⇒ 毎晩、機械的に圧迫されたことで、ピアストンネルが傷ついてしまった。