概要
金属アレルギーとは、イオン化した金属が原因となって生じる接触性皮膚炎で、Tリンパ球を介するVI型アレルギーです。日常生活品、装飾品、食品、医薬品、歯科材料などに使用されている金属が汗など体液と接触すると、体液に含まれているナトリウムイオンなどによって接触した金属から金属イオンが発生し、皮内のタンパク質と結合すると、完全抗原となります。この情報が表皮内のランゲルハンス細胞(抗原提示細胞)から真皮内の樹状細胞に伝達され、近くのリンパ節でT細胞が教育され、感作が成立します。再度、同じ金属と接触すると、感作リンパ球と反応して、さまざまなサイトカインが放出され、接触部位で炎症(湿疹、皮膚炎)が発生します。
金属アレルギーパッチテストとは、接触性皮膚炎を惹起する金属を特定するための検査です。
検査可能な金属は16種類
亜鉛、アルミニウム、イリジウム、インジウム、金、銀、クロム、コバルト、重クロム酸(6価クロム)
水銀、スズ、鉄、銅、ニッケル、白金、マンガン
検査できない金属は7種類
アンチモン、カドミウム、タングステン、チタン、バリウム、ベリリウム、モリブデン
検査開始条件&費用
1.金属アレルギーパッチテストの適応
- ピアスやネックレスを装着すると、痒くなる場合
- 慢性湿疹で、口腔内金属を多数使用している場合
- 歯科から依頼で検査する場合
2.ご注意
- a)3回通院が必要であること。
- 検査当日、2日後、7日後
- b)強い痒みや赤みが生じる場合があること。
- c)パッチ貼付中は、湯船に入れないこと。スポーツなどで汗をかいてはいけないこと。
3.費用
- 保険適応 3,000円+予約料1,000円
検査の流れ
初診
- 問診(金属アレルギーの経過・薬剤履歴)
- 適応がある場合、日時のご予約
再診
- 両側上腕内側に金属検査試薬を貼付します。
ホームケア
- 湯船に浸ったり、スポーツで汗をかくことは禁止です。
- シャワーは許可しますが、テープは濡らさないようにご注意ください。
再診
- 貼付から2日後にご来院いただき、テープを剥がし、反応をチェックします。
- テープ貼付部にマジックでマーキングを付けます。
再診
- 貼付から7日後にご来院いただき、反応をチェックします。
検査キット
当院で採用しているキット
- 鳥居薬品
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有害事象
かゆみ、赤み、水疱形成
- 対処
- ステロイド軟膏塗布