脂漏性皮膚炎
頭皮が脂っこい, フケ, かゆみ
脂漏性皮膚炎とは
皮脂の分泌が多いことを脂漏性と言います。この皮脂を常在真菌のマラセチアが分解して発生する遊離脂肪酸による炎症が原因です。脂漏部位は頭皮、眉毛部、鼻部、鼻翼、鼻唇溝(いわゆるTゾーン)です。
脂漏性皮膚炎の発生原因
頭皮やおでこから鼻部にかけて皮脂腺が多い部位に発生
原因としては2つです。
1.皮脂。これには組成と量の問題があるでしょう。関係しているのはやはり食事です。
2.常在菌のマラセチア。以前は癜風の原因菌はマラセチア・フルフルと言われていましたが、詳しい解析が進み、フルフルは1種類ではなく、11種類以上も分類されることがわかっています。
Malasseziaの菌学 杉田隆
日常生活習慣の見直し
1.洗髪
普通のシャンプーには界面活性剤が含まれており、脂分を落ちやすくしています。脂分の中に免疫物質が含まれているため、落とし過ぎてしまうと、細菌やカビが繁殖しやすくなります。お勧め:フロリードと同じ成分が含まれる新ネクストシリーズコラージュフルフル(持田ヘルスケア)
一番安上がりなのは、お湯洗いと固形石鹸です。普段はお湯だけで洗い、時々、固形石鹸を泡立てて洗髪してみましょう。女性の場合は、ギシギシしてしまいますので、オイル入りの石鹸シャンプーと専用酸性リンスをお勧めしています。当院で販売中:オリーシャンプー(太陽油脂)
2.食生活
減らすべき食事
1.甘いお菓子(駄菓子、ケーキ、チョコ)
- ⇒血糖値が上がり、インスリン分泌が増えます。中性脂肪になります。
2.炭水化物(ご飯、パン、麺類など)
- ⇒血糖値が上がり、インスリン分泌が増えます。中性脂肪になります。
3.脂っこい食品(カレー、ハンバーグ、唐揚げ、中華料理、マーガリン、コーヒーフレッシュ)
- ⇒オメガ6脂肪酸やトランス脂肪酸が炎症に原因になります。
☆オメガ6脂肪酸は毛穴周囲の表皮角化細胞を増殖させたり、中性脂肪で皮脂が粘調になり、毛穴が詰まりやすくなります。
増やすべき食事
1.タンパク質(肉、魚、卵、豆腐、納豆)
- ⇒肉と魚だと、1食あたり100gは食べましょう。20%がタンパク質なので、20gタンパク質が摂取できます。
2.オメガ3脂肪酸(さば、さんまなど魚、亜麻仁油、エゴマ油など)
- ⇒オメガ3脂肪酸には炎症を抑える作用があります。
- ⇒サバ缶やサンマ缶を活用しましょう。タンパク質とオメガ3オイルと同時摂取できます。
- ⇒オイルの場合、オメガ3は酸化しやすいので加熱してはいけません。
3.ココナッツオイル
- ⇒飽和脂肪酸は酸化しませんので、炒め物に最適です。
☆ウドズオイル 人気のオメガ3/6ブレンドオイル
- 亜麻仁だけでなく、ひまわり、胡麻、米胚芽、米ふすま、オーツ麦芽胚、オーツ麦ふすま、ココナッツオイル、月見草油、大豆レシチンから製造されています。
- カナダ製 低温圧搾、冷凍輸送、冷凍保管、遮光瓶を使用して、製造、輸送工程での徹底的な酸化対策を図り、高品質を保っています。
- 寺田院長推薦 船橋ゆーかりクリニックで冷凍販売
飲み薬
食生活の改善に取り組みながら、内服すると治りやすくなります。
- ビタミンB
- 炭水化物に含まれる糖質を肝臓で代謝する際に多量のビタミンBが消費されているのです。保険では最小限の投与量ですので、サプリメントをお勧めしています。
- ビタミンC
- ニキビ痕など炎症後色素沈着に有効ですが、保険では最小限の投与量ですので、サプリメントをお勧めしています。
- 十味敗毒湯
- 第一選択
- 2剤形あり
- 錠剤 クラシエ
- 顆粒 ツムラ
- 温清飲(ウンセイイン)
- 暗赤色、乾燥、鱗屑を伴う
- 慢性炎症の場合
- 荊芥連翹湯
- (ケイガイレンギョウトウ)
- 温清飲をさらに強化
- 黄連解毒湯
- 発赤が強く、化膿傾向
塗り薬
☆食生活の改善に取り組みながら、外用すると治りやすくなります。
- 抗真菌剤
- ケトコナゾール
- 剤形
- ローション
- 塗布回数
- 1日2回
- 種類
- リンデロン
- アンテベート
- など
- 剤形
- ローション
- 塗布回数
- 1日2回