概要
光線療法として、中波長と呼ばれる290~320nmの紫外線が使用されてきました。その後、ナローバンドUVBと呼ばれる311±2nmに絞った紫外線が効果が高いことがわかり、治療に使用されるようになりましたが、照射装置が大型であるため、大学病院や総合病院に設置されていました。
近年、エキシマライトと呼ばれる波長308nmの紫外線が、ナローバンドUVBと同等の効果が認められることが証明され、また技術の進歩により照射機器の小型化と高出力化が進み、クリニックでも実施可能な治療となりました。
治療開始条件&費用
1.中波紫外線療法の適応症であり、慢性化している状態。
- アトピー性皮膚炎(保険診療)
- 当院では範囲を限定しています。
- 広範囲の場合は全身型機器がある総合病院皮膚科をご紹介する場合があります。
- 掌蹠膿疱症(保険診療)
- 乾癬(保険診療)
- 白斑(当院では当面行っていません)
- 円形脱毛症(保険診療)
2.以下の点にご理解いただけること。
- a)1,2週間毎に通院する必要。
- b)すべての患者様に効果があるわけではないこと。
- c)効果発現までに時間がかかる場合や効果が出ない場合があること。
- d)1回あたり保険診療で1,000円かかること。
開始までの流れ
初診
- 問診(治療経過・薬剤履歴)
- 栄養状態チェック(鉄, フェリチン, 亜鉛, 銅)
- 治療オプションとして中波紫外線療法があることをご説明します。
- パンフレットをお渡します。
再診
- 血液検査のご報告
- 中波紫外線療法のご希望がある場合、紫外線療法を開始します。
- 初回は弱く照射
ホームケア
- 日焼けにご注意
- 照射後赤みが強い場合は、写メで記録してください。
- のちに炎症後色素沈着で茶色になってきます。
- 赤みがひどくなり、水疱ができたら早めに来院
- 少し赤みがある程度なら、1,2週間後に再診
維持期間の流れ
1,2週間毎の再診
- 赤みの程度を写メで確認。
- 赤みがなければ、出力を上げて照射。
- 赤みがあれば、同じ出力で照射。
ホームケア
- 日焼けにご注意
- 照射後1,2日の赤みを写メで記録
- 赤みがひどくなり、水疱ができたら早めに来院
- 少し赤くがある程度なら、1,2週間後に再診
終了
- 10回照射して、効果判定。
- 効果を認めるようであれば、あと10回追加。
- 周囲の炎症後色素沈着をチェック。
機器と照射回数
当院で採用した機器
- エキシプレックス
-
照射回数
- 10回を1クールとして、1,2クール照射。
- 1クール行って、無効の場合は、中止。
有害事象
強い赤み、水疱形成
- 対処
- ステロイド軟膏塗布
- 次回の出力を下げる。
周囲の炎症後色素沈着
- 対処
- トラネキサム酸内服
- 亜鉛サプリメント内服
- トラネキサム酸局注