乾癬(かんせん)
赤く盛り上がったかさつき
治療の基本は食事
乾癬の治療結果
乾癬とは
慢性で経過する皮膚の角化異常。通常30日かかる皮膚のターンオーバーが3~4日と10倍も早くなり、腫れたような赤み(紅斑)の中に、カサついて乾燥した表皮(鱗屑)が白く盛り上がってボロボロと剥がれてくる病態です。同じ”かんせん”と読む”感染”とは全く関係ありません。”乾癬”は伝染する病気ではありません。
以下のような様々なタイプがあります。
尋常性乾癬:全体の9割 |
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滴状(てきじょう)乾癬 |
乾癬性紅皮症(こうひしょう) |
膿疱性(のうほうせい)乾癬 |
関節症性乾癬 |
乾癬の発生原因
乾癬の病態
TNF-αの刺激による皮膚のターンオーバー亢進。本当の原因は不明。遺伝子要因と環境要因の多因子による病態か?
遺伝子
- HLA class I近傍
- 6番染色体
- 17番染色体
Th17細胞性慢性疾患
- TNF-α
- IL-12/23p40
- IL-17A
生活環境
- 内外のストレス
- 気候の変化
- 高脂肪摂取など
日常生活習慣の見直し
1.食生活
減らすべき食事
1.甘いお菓子(駄菓子、ケーキ、チョコ)
- ⇒血糖値が上がり、インスリン分泌が増えます。中性脂肪になります。
2.炭水化物(ご飯、パン、麺類など)
- ⇒血糖値が上がり、インスリン分泌が増えます。中性脂肪になります。
3.脂っこい食品(カレー、ハンバーグ、唐揚げ、中華料理、マーガリン、コーヒーフレッシュ)
- ⇒オメガ6脂肪酸やトランス脂肪酸が炎症に原因になります。
4.牛乳
- ⇒乳製品が悪化原因の一つであるを示す海外論文が多数あります。
増やすべき食事
1.βカロチン含有食材
- 安全性が高いのはβカロチンです。必要に応じてビタミンAに体内で変換されるからです。
- 野菜
- 人参、モロヘイヤ、ホウレン草、唐辛子の葉やあしたば、春菊、大根の葉、にら、ルッコラ、おかひじき、タアサイ
- 乾し海苔
- 抹茶
2.ビタミンA(レチノール)含有食材
- レバー(重さは1日最大摂取量換算を示す)
- スモークレバー15g、鶏20g、豚27g、牛230g
- 美味しいからって、食べすぎないようにご注意
- 参照サイトはこちら⇒ビタミンAが多い食品
- 魚(重さは1日最大摂取量換算を示す)
- あんこう肝30g、うなぎ140g、ギンダラ170g
- その他
- 生クリーム、チーズ、バター
2.タンパク質(肉、魚、卵、豆腐、納豆)
- ⇒肉と魚だと、1食あたり100gは食べましょう。20%がタンパク質なので、20gタンパク質が摂取できます。
3.オメガ3脂肪酸(さば、さんまなど魚、亜麻仁油、エゴマ油など)
- ⇒オメガ3脂肪酸には炎症を抑える作用があります。
- ⇒サバ缶やサンマ缶を活用しましょう。タンパク質とオメガ3オイルと同時摂取できます。
- ⇒オイルの場合、オメガ3は酸化しやすいので加熱してはいけません。
4.ココナッツオイル
- ⇒飽和脂肪酸は酸化しませんので、炒め物に最適です。
☆ウドズオイル 人気のオメガ3/6ブレンドオイル
- 亜麻仁だけでなく、ひまわり、胡麻、米胚芽、米ふすま、オーツ麦芽胚、オーツ麦ふすま、ココナッツオイル、月見草油、大豆レシチンから製造されています。
- カナダ製 低温圧搾、冷凍輸送、冷凍保管、遮光瓶を使用して、製造、輸送工程での徹底的な酸化対策を図り、高品質を保っています。
- 寺田院長推薦 船橋ゆーかりクリニックで冷凍販売
乾癬の内服薬
新しい内服薬が処方可能になっていますが、ご希望の場合は、連携病院をご紹介します。
新しい内服薬
- オテズラ
- 開始希望の場合は提携病院をご紹介します。
腫れ止め
- トランサミン
- 風邪を引いたとき、喉の腫れを引かせる目的でも処方される薬です。
- 乾癬の赤みを軽減するのに有効と考えます。
抗ヒスタミン剤
- かゆみ止め
- 1日1回
- アレジオン
- ザイザル
- ジルテック
- 1日2回
- タリオン
- アレロック
- アレグラ
乾癬の外用薬
☆食生活の改善に取り組みながら、外用すると治りやすくなります。何も変えなければ、塗り薬を止めるとすぐ再発します。
ドボベット
- 会社
- 協和発酵キリン
- LEO Pharma
- 配合剤
- 活性型ビタミンD3
- カルシポリトール
- ドボネックス相当
- ステロイド
- ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
- リンデロンDP相当
- 剤形
- 軟膏
- 塗布回数
- 1日1回
- 最大塗布量
- 1週間で90g=6本を超えないこと
- 効果
- 最適な配合になり、効果が向上した。
- デメリット
- 高価
- 1本15g約2,000円
マーデュオックス
- 会社
- マルホ
- 配合剤
- 活性型ビタミンD3
- マキサカルシトール
- オキサロール相当
- ステロイド
- ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
- アンテベート相当
- 剤形
- 軟膏
- 塗布回数
- 1日1回
- 最大塗布量
- 1日10g=1本
- 1週間で70g=7本まで
- 効果
- 最適な配合になり、効果が向上した。
- デメリット
- 発売後1年間は多量に処方できない。
ドボネックス
- 会社
- 鳥居薬品
- 配合剤
- 活性型ビタミンD3
- カルシポリトール
- 剤形
- 軟膏
- 塗布回数
- 1日2回
- 最大塗布量
- 1週間で90gを超えないこと
- 効果
- 細胞増殖抑制
- 細胞周期調整
- 細胞分化誘導
- 使用タイミング
- ドボベットの効果発現後、寛解期に塗布
オキサロール
- 会社
- マルホ
- 配合剤
- 活性型ビタミンD3
- マキサカルシトール
- 剤形
- 軟膏
- ローション
- 塗布回数
- 1日2回
- 最大塗布量
- 1日10g=1本
- 1週間で70g=7本まで
- 効果
- 表皮角化細胞増殖抑制
- 表皮角化細胞分化誘導
- サイトカインIL-6抑制
- 多核白血球やリンパ球抑制
- 使用タイミング
- マーデュオックス効果発現後、寛解期に塗布。