痛い粉瘤

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赤く痛い化膿した粉瘤

粉瘤が可能したら、できるだけ早く、切開して、膿を出すことが必要です。特に背中のような皮膚が分厚い部分は、抗生剤の内服だけでは、治りません。

化膿した粉瘤の治療経験

化膿した粉瘤治療例1

背部炎症性粉瘤で、赤く盛り上がっている状態。

処置法

局所麻酔は赤みの中心、皮内のみ。
#11メスで丸くくり抜き、排膿。
シリンジに生食を入れて、くり抜いた穴からシリンジの先端を入れて、密着させ、生食を入れたり、出したりして、ポンピング洗浄を行う
中身が排出されやすくなり、治る時間が短くなる。

経過

傷跡は丸く、目立ちません。

従来法

昔、十字に切開したり、大きく直線で切開して、袋を除去していたことがありましたが、出血や滲出液が多かった記憶があります。しかも、麻酔の範囲が広く、痛みが相当ありました。

新しい方法

新しく開発した「くり抜き排膿+シリンジ洗浄」は、痛みが少なく、傷跡も小さいので、お勧めします。
化膿した粉瘤の治療

初診時発赤

化膿した粉瘤の治療

エコー検査

化膿した粉瘤の治療

局所麻酔後

化膿した粉瘤の治療

くり抜いた直後

化膿した粉瘤の治療

排膿中

化膿した粉瘤の治療

シリンジ洗浄中

化膿した粉瘤の治療

処置直後

化膿した粉瘤の治療

処置後2週間

化膿した粉瘤の原因と鑑別

化膿した粉瘤

粉瘤の原因

粉瘤が膨らんでくると、毛穴が開いてくるため、細菌が入りやすくなると考えられます。しこりの中は空気が少ない嫌気的な環境ですが、嫌気性菌であるプロプリオバクテリウムが増殖するので、臭いにおいが生じます。
ひどくなると、化膿して、ドロドロの膿が溜まります。袋状被膜は溶けてしまう事が多いです。

粉瘤の鑑別

1)慢性膿皮症

皮膚に化膿病変が多発している場合は膿皮症といって、慢性炎症が続いている状態です。お尻やわきの下に生じることが多いです。
抗生剤の点滴治療を行ったり、罹患した皮膚全層を新しい皮膚と取り替える植皮手術が必要になる場合があります。
膿皮症で根治治療をご希望の場合は総合病院をご紹介します。

2)顔面の多発にきび(痤瘡)

顔面では、化膿したにきびが多発する場合があります。
エピジェネティックな体質もあるようですが、タンパク質とオメガ3脂肪酸を増加させる糖質制限食などを含めた日常生活指導も行っています。
手術適応はなく、抗生剤とトラネキサム酸、ビタミンC、漢方薬の内服治療や外用療法で、炎症を抑えていきます。
重症の場合は、美容処置で使用する光治療やレーザーを応用することが可能です。(自由診療)

化膿した粉瘤の治療法

化膿した粉瘤の治療

治療目標

治療の目標はしこりを除去することではなく、すばやく排膿して、赤みと痛みの原因となっている化膿している状態から脱出することです。 

治療法

概要

赤く腫れて、化膿してしまった粉瘤は、あまり痛くないように表面に少しだけ局所麻酔を注射して、毛穴を含めて皮膚を直径3~5mm程度の丸くくりぬいて、中の膿を外に出さなければなりません。

従来の方法

私が大学病院に勤務していたころは十字切開を入れ、中身の袋を除去していましたが、汁がたくさん出て、カーゼが汚れたり、傷痕が残ったりして、ご不便をかけていました。

現在の方法

現在は、しこりの真ん中を丸くくりぬいて、シリンジによるポンピング洗浄をすることで、炎症が急速に収まり、傷あとが目立ちにくくなっています。

袋(被膜)の経過

化膿した状態が初期であれば、中身を出した後、袋を除去することができる場合があります。化膿した状態が長い場合は、袋が溶けてしまいますので、しこりの完全除去はできません。

長期経過

一旦、炎症が治まったのち、数ヶ月から数年して、しこりが再発する可能性が残ります。皮下に表皮成分が残るからです。通常はしこりの中心にある毛穴が除去できれば、しこりの再発は少ないようです。 

炎症性粉瘤の術後合併症

痛み

術後1,2時間で麻酔効果がなくなっても、通常はさほど痛くないことが多いですが、個人差がありますので、痛み止めを処方する場合があります。

赤みや滲出液が長引く

内容物が残っている場合、赤みが長引くことがあります。再度、洗浄処置を行います。

しこりの再発

粉瘤の袋が残っていると、1ー3ヶ月でしこりが再び大きくなってくることがあります。炎症がなければ、通常の摘出手術を予定します。

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