外傷性色素沈着症治療経験
外傷性色素沈着症治療例01
概要 | 交通事故で両膝に挫滅創を受傷し、救急で縫合処置を受けた。3年後に傷跡の治療を希望されて、当院に来院。 ![]() |
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治療法
要点 | 縫合部に沿って、濃い茶褐色の色素を複数認めた。 |
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処置名 | レーザー照射療法 |
費用 | 労災のため本人負担なし。 |
問題点 | 赤みや茶色になる炎症性色素沈着の発生 複数回の照射 テカった瘢痕の残存 |
こんな症状で
お悩みではありませんか?
症状 | ✅️怪我の痕に黒っぽい、または灰色っぽいシミが残ってしまった ✅️シミが汚れのように見える ✅️時間が経っても消えない ✅️ほくろやそばかすと間違えられることがある |
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なぜできるの?
原因と発生頻度
外傷性色素沈着症は、特に擦り傷や切り傷、やけどなど、皮膚に損傷が生じた際に発生しやすい症状です。
原因 | ✅️転倒による擦り傷 地面のアスファルトや土の粒子が皮膚に深く入り込む ✅️切り傷 刃物などに付着した微細な金属片や汚れが入り込む ✅️やけど 損傷した皮膚に炭化した物質などが付着する |
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頻度 | ◎怪我の程度や種類にもよりますが、比較的頻繁に起こりうる症状です。 ◎特に屋外での活動が多いお子さんや、スポーツをする方によく見られます。 ◎皮膚に異物が入り込んだ状態で傷が治ってしまうと、そのまま色素が残ってしまうため、注意が必要です。 |
諦めないで!
効果的な治療法があります
「もう治らないのかな…」と諦めている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、外傷性色素沈着症には効果的な治療法があります。
治療 | 外傷性色素沈着症にはレーザー照射療法が有効。 レーザー治療は、皮膚に入り込んだ色素にピンポイントで光を当て、色素を破壊することで、時間をかけて少しずつ薄くしていく治療法です。 このレーザー照射療法は、保険診療の適用となりますので、費用についてもご安心いただけます。 ![]() |
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治療の流れ
怪我の痕が気になる方は、ぜひ一度当院にご相談ください。専門の医師が、あなたの症状に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
診察 | 症状を詳しく拝見し、治療の適応があるかを確認します。 |
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説明 | 患者様一人ひとりに合わせた最適な治療計画をご説明します。 |
承諾 | レーザー治療承諾書にサインをいただきます。 |
予約 | 照射日時を受付でご予約していただきます。 |
照射 | 事前に麻酔テープやクリーム、注射を使って、痛みを最小限に抑えながら、丁寧にレーザーを照射します。 |
予後 | 治療後のアフターケアについてご説明し、経過を観察します。 |
再照射 | 初回は1ヶ月後に経過を診察します。 3ヶ月後に再照射が必要かどうか、再度評価します。 |
外傷性色素沈着症に関する
よくあるご質問(FAQ)
転倒や擦り傷によって、砂やアスファルトなどの異物が皮膚内に入り込み、真皮に沈着してタトゥーのように黒っぽく見える状態です。通常の色素沈着とは異なり、自然には消えにくい特徴があります。
炎症性色素沈着は、ニキビや虫刺され、やけどなどの炎症によってメラニンが増えた状態で、多くは時間と共に薄くなります。一方、外傷性色素沈着は異物自体が皮膚内に残っており、自然には改善しにくいのが特徴です。
道路での転倒や運動中の擦過傷、鉛筆が刺さったときなど、異物が皮膚の深い部分に入ったまま治癒すると、色素沈着として残ることがあります。
異物が真皮に残っている場合、自然に完全に消えることはほとんどありません。気になる場合は医療機関での除去が検討されます。
皮膚の切除、Qスイッチレーザーやピコレーザーによる色素除去などがあります。刺青に似た状態のため、除去は簡単ではありません。
外傷直後に砂や異物を洗い流すだけでなく、歯ブラシで奥に入り込んだ異物をしっかり掃き出すことが大切です。痛みがありますので、形成外科専門医が勤務している医療機関がお勧めです。また、傷が治った後も紫外線対策をすることも忘れずに。